「デジタル先進国」デンマークのICT教育、キーワードは三つ 保護者の役割は?

「デジタル先進国」デンマークのICT教育、キーワードは三つ 保護者の役割は?(朝日新聞EduA)

――一言で「ICT教育」といっても、デンマークでは、どのようにICTが学習に組み込まれているのでしょうか?

デンマークでは「コミュニケーション」「ツール」「マテリアル」の3つをキーワードとしてICT教育が普及しています。

●コミュニケーション
教師と子ども、教師と親、学校と親の間の連絡を、デジタルプラットフォームを用いて行います。娘が幼稚園の頃からデジタルに移行していたので、病欠の連絡や先生からの報告もアプリ上でやり取りしていました。

●ツール
タブレットやPCなどICT機器の基本的な機能や操作、仕組みをはじめ、ICT機器を用いた情報収集やプレゼン資料の作成、ID・パスワードを利用したプライバシー保護など、生きていく上で必要になるであろうICTスキルの向上を目指します。

●マテリアル
ICT機器の基本操作を覚えたうえで、オンライン学習プラットフォーム「カーンアカデミー」やデンマークオリジナルのデジタル素材(筆記やリスニングのドリル)などを使って学習します。テキストに加えて映像や音声付きで多角的に学ぶことで紙の教科書だけで学ぶよりも理解力が深まるなど、学習の可能性を広げているのがマテリアルとしてのICT教育です。

ICTに触れる前に親子の信頼関係を十分に築いてほしい
――ご家庭で、お子さんはICT機器やSNSと、どう付き合っていますか?

小学2年生の息子は、まだ学校でICT教育が開始されていないこともあり、自分専用のICT機器を持たせておらず、SNSもやっていません。テレビを含めたスクリーンタイムは1日1時間に制限しています。

娘は自分専用のパソコン・iPad・iPhoneを持っていて、自宅でもそれらを使うことがあります。時間の制限は設けていませんが、毎日宿題をするのに1〜2時間、プライベートで楽しむのに約1時間使っています。

SNSは積極的にやらせないようにしているものの、コミュニケーション用としてワッツアップとインスタグラムだけ利用しています。娘からお願いされて、学校で仲の良い女の子のお母さんたちと話して、友達のグループ内だけということで許可しました。

心配な点はありますが、もうICTがない世界に戻ることはできないし、それなら子ども本人や学校と話をして利用範囲を決めて付き合っていくのが良いのかなと。危険な芽を100%摘むのは難しいと思うので、子どもの成長に合わせて悩みながら決めていけたらと思います。

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