https://digital.asahi.com/articles/ASNDK03SZNDDTIPE01W.html
――「無頼」では主人公が刑務所に入っても、塀の外に出てくると、仲間たちからあたたかく迎えられているシーンがあります。いまの芸能界とは対照的で、一度道を踏み外すと、なかなか戻ってくるのが難しい。「パッチギ!」で沢尻エリカさんや高岡蒼佑さん、小出恵介さんらを起用した監督は、今の芸能界をどう見ていますか。
戻って来られないよね。悪いことをしたんだから、しょうがいないけどね。でも一方で、例えば沢尻くんなんてのは、悪さしたけど、もう一回入れてあげてもいいと思うよ。才能ある女優だから。薬物には手を出しませんと改心したのならね。そういう社会であってほしいよ。迎え入れたら迎え入れたで、また「勝手に迎え入れよった」って怒られそうだけどね。
――監督としては、いつでも歓迎ですか。
うちはウェルカムですよ。反省しているんだったら。人間なんて反省して生きていくんだから。「社会から消えろ」って誰が烙印(らくいん)を押すのか知らないけど、人間はそう簡単に消えられない。ウェルカムというか、なんとか救ってあげたいね。仕事の場をあげたい。
誰だって、完璧に生きられるわけがないんだから。悪さもしてしまう。そいつの人徳のいたさないところですよ。でも反省しているんだったら次の人生があったっていいじゃないですか。俳優しかできないんだったら戻ってこいよ、ってね。
もちろんヘタな役者はいやだよ。わが井筒組はリアリズムな芝居ができないと、きついからね。