9月入学論、共通テスト「改造」…翻弄され続けた受験生(朝日新聞)
今年度に実施される大学入試の日程が、ようやく決まった。(記事)
大学入学試験に関するこれまでの決定事項と議論の流れ、それに対する教育現場の悩みなどをまとめた記事です。
文部科学省は、大学入学共通テストを2つの日程から選択し受験可能にし、入試問題の範囲、縮小を全国の大学に要請しました。
高校側は、概ね好意的に見つつも、実際に第2日程を利用する生徒は少ないこと、共通試験を後ろ倒しにすれば大学個別試験の対策時間が取れないこと、科目や試験範囲に関する大学の個別試験の混乱などを心配していました。また、文科省の指摘に対し、大学の学問と試験選抜の自由を指摘する意見も。
大学側からは、第2日程の設定に伴い、大学入学共通テストの成績提供が予定より1週間程度遅れることに対する懸念が述べられています。入試日程そのものや、難関大でいわゆる「足切り」などのために行う「2段階選抜」などの運営が成績提供の遅れで厳しくなるといわれています。大学は要項が求める個別試験の出題範囲の「配慮」に苦戦しているそうです。またコロナ患者への配慮も検討中だそうです。
「9月入学」の検討や高校団体・大学側との調整により決定に時間がかかっているそうです。高校側は当初は試験全体の1か月程度の延期を要求していました。
また、大学入学共通テストの第1日程と第2日程の難易度をどこまでそろえられるかが課題です。大学側の選抜にも日程による難易度の差は問題となります。
現場の教育の遅れを心配する高校側と9月入学がなくなり普段通り試験を運営しなければならない大学側との「綱引き」があるのでしょう。試験会場の過密化の回避やどうしても遅れてしまう地域の学校に配慮した結果、2つの日程の試験となったのでしょう。受験者ごと・高校ごとの事情、個別の大学側の事情に即し、受験者・大学・高校それぞれが2つの日程どちらを選ぶのか、そしてその基準は何か、今後議論されるでしょう。基本的には同集団内で行う競争・選抜試験であり、公平性を保つことが重要でその点の配慮は今後もなされるでしょう。しかし、何らかの教育行政側の不手際のリスクや家庭学習に依存する教育現場の問題など今年の受験生が負う不利益は必ずあるので覚悟し、少しでも情報を集めることを行ってください。
最後に日程を朝日新聞から転載しておきます。
https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20200619005931.html