学校再開、海外の親の深い悩み

学校再開 フランス・ドイツ・中国…親と学校の深い悩み

新型コロナウイルス対策による行動制限の緩和が進む国々で、学校が再開し始めた。学校での感染拡大を防ごうと、分散登校や校内で子ども同士が距離を保つといった様々な対応策が打ち出されている。ただ、課題は山積し、現場の教員らが対応に苦慮している。

ネット授業、先生はPTA

ネット授業、先生はPTA 都内の公立小、無料で開講(朝日新聞)

新型コロナウイルスの影響で長期休校が続くなか、東京都内の小学校のPTAが、独自に在校生のためのオンライン授業に取り組んでいる。「嘆いていても仕方がない」と保護者有志が交代で先生役を引き受け、双方向の授業を実施。学校再開の日まで、子どもの学習習慣や生活のリズムを保つことがねらいだ。

5月8日午後1時。東京都東久留米市立第二小学校のPTA会長清水唯史さん(41)が、オンライン会議システム「Zoom」を立ち上げ、5年生の算数の授業が始まった。画面には11人の子どもの顔が並ぶ。

「この問題をやった人、手を挙げてみて」「みんな、調子いいね」。教科書を手にした清水さんが画面越しに子どもたちに声をか

ワクチンは2020年秋に間に合わない

米政府系研究所長、経済再開急げば「制御不能リスク」

楽観的な姿勢を貫くトランプ大統領と、医療政策の専門家らの温度差も際立った。ファウチ氏は「正しい方向に向かっているが、完全に制御できているわけではない」との認識を示し、検査体制のさらなる拡充を訴えた。共に証言した米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長も「まだ危機は脱していない」とクギを刺した。

ファウチ氏は新型コロナと確認されずに自宅で死亡する事例を挙げ米国の死者数は統計よりも「ほぼ確実に多いだろう」と指摘した。また2020年秋と見込まれる学校の再開までにワクチンや治療法を確立させるのは難しいと見通した。

※アメリカ合衆国の大学では秋からの学期のオンライン化が決まったところもあるようです。

ネット学習支援「特定警戒」優先

ネット学習支援「特定警戒」優先 学校再開へ新指針 学習計画繰り越しも(日本経済新聞)

指針では、14日以降も大半の学校で休校が続く特定警戒の自治体を対象に、家庭でのインターネット環境が整っていない児童生徒に通信端末やルーターが速やかに行き渡るよう優先して配置するとする。文科省は2020年度補正予算で、小中学生のオンライン学習の整備費として、約2200億円を計上した。

休校中の学びを取り戻すため、1学年ごとに決まっている教育課程を2~3年間でカバーできるよう計画を立て直すことを認める。進学を控えるため、この特例措置の対象から外れる小6や中3は「優先的な分散登校」を促すほか、文科省が専用の教材を作り各自治体に公表する調整を進めており、1年で学習を終えられるようにする。

学校再開時には、改めて密集、密接、密閉の「3密」を避ける取り組みをとるよう強調する。1つの学級を分割し、教室と、学校以外の公民館や図書館など公共施設を使うことを例示。教室内での授業をネットでつないで同時に配信する「集合型オンライン指導」も実施すべきだとする。

ただ児童生徒が使う教室数が増えるため、現職教員だけでは人手が足りなくなる懸念もある。退職教員や大学生、塾講師ら地域人材を活用することも各自治体に求める。

これまで文科省は家庭学習支援を中心に通知などを出してきたが、今回の指針では学校を中心とする「段階的な教育活動再開」を促す。ただ「すべての学習内容を取り戻すのは土曜授業や夏休み短縮だけでは厳しい」との声もある。

同省は授業時間を圧縮しやすくするよう、教科書発行元に家庭学習で対応できる単元の抽出を要請する方針。これを踏まえ、指針では個別でも実施可能な学習は家庭で行い、対面授業と同様に評価するよう求める。

主体性とは

新型コロナによる休校が解除されたとき 大人たちに問われること(Forbes Japan)

今回の新型コロナウイルス禍をきっかけに、副島さんは、これまでの教育についても、新たな疑問を抱えているという。

「あらためて、教育って何だろうと考えています。休校になってしばらくは、子どもたちが教育を受ける権利を奪われてしまったと思っていました。もちろん、教育の機会を等しく保障することは必要です。でも、私たちは果たしてこれまで、”どのような状況であっても主体的に学ぶことができる子どもたち”を育ててきたのでしょうか。

いま、子どもたちから『何をしたらいいかわからない』『ヒマすぎてつまらない』という言葉が聞こえてきます。

本来、子どもたちは、学校が休みになれば、『いままでできなかったことができる』『あの実験をやってみよう』『ずっと好きな本を読んでいられる』『ずっと絵を描いていられる』と喜ぶような、生き生きとした存在だったはずです。それなのに、教材を用意され、指示がなければ何もできない子どもたちが増えてしまったのではないかと思うのです。

僕が教員になったのは、ゆとり教育のときでした。ゆとり教育は、子どもたちが主体となって学ぶ教育を目指したはずでした。しかし、学力重視への揺り戻しがあり、子どもたちの主体性は吹き飛んでしまった。蓋を開けてみたら、指示を待っている子どもたちや、言われたことだけやるという子どもたちを育ててきてしまったのかもしれません」

今回の学校の一斉休校で、まさにそのことが露呈してしまったと副島さんは言う。

「自分で考え、学び、工夫する楽しさを見つけ、自分で行動することができる子どもたちを育てることができていなかったのではないかと、これまでの取り組みについて反省をせざるを得ません。教師として、30年間いったい何をやってきたのだろうと本当に悔しい思いになります」

しかし、このことを教訓として、副島さんは今後の教育の世界をしっかりと見据えている。

「学校が再開したとき、これまでの遅れを取り戻さなければならないと必死に知識を詰め込むような、学力だけに特化した方向に教育が進まないようにしなければならないと強く思っています。いまは、あらためて子どもたちにとって本当に必要な教育や学校の役割を捉え直すチャンスだと思うのです。

僕自身も、これからの教育についてしっかりと考えていきたい。大人の考えの範疇を軽々と飛び超えていくような子どもたちを育てたい。そのために何ができるのか。それが、これからの僕の大きな課題です」

今回の新型コロナウイルスに限らず、これまでの価値観や知識だけでは乗り越えることのできない難局がこれからも繰り返しやってくるだろう。そのときに戸惑わないために、新しい世代に何を伝えるべきなのか、そのために何ができるのか。いま一度、深く考え直すべきときが来ている。

「みんなが不安のなかにいるいまこそ、自分の力を誰かのために発揮して、苦手なことは誰かの力を借りて生きていける社会になればいいと思っています。そういう社会にしなければいけない。そのためにできることを、子どもの力を信じて、子どもの声に耳を傾け、子どもたちと一緒に考えていきたいですね」

新型コロナウイルスの感染拡大は、子どもたちへの教育を考え直す意味でも、私たちに大きな問いを投げかけている。

愛知県公立高校の対応

“名門校”の新人教師の不安…大学の入試問題解き再開に向け準備 探る「生徒のためにできること」(東海テレビ)

 長引く休校について、愛知県では、夏休みを短縮して授業の遅れを解消するなどの対策が決まっている自治体もありますが、まだまだ解決しなければいけない問題ばかりです。

中でも悩みの種となっているのが、大学受験を控えた高校3年生への対応です。名古屋の名門高校の教師の生の声を取材しました。

 先生たちは悩んでいます。

先生:
「5月の末まで延びたんですけど、さらにその後どうなるかが分かんないのが不安で。どうやって授業やっていくのとか」

別の先生:
「我々がどんどん課題を出していくことはできるかもしれないですけど、すでに置いてかれちゃってるような子が、どんどん置いてけぼり状態になっちゃうんじゃないかというのが…」

 名古屋市立向陽高校。名古屋市の市立高校の中で2番目に古く、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんも学んだ名門校です。

 休校中の生徒からの届いたアンケートには…。

3年女子生徒:
「この長い期間の中で、自分の勉強が身になっているのか確かめる方法もなくて、不安です」

3年男子生徒:
「3年生最後の行事は全部やりたかったな」

鈴木校長:
「1日でも早く生徒たちとつながって授業ができるのが、一番先生にとっても願いであります。生徒思いの先生ばっかりですから、生徒のことが気になるんですね。いろんなことを考えてやってくれていますので」

 向陽高校では4月21日から、新型コロナウイルスへの感染対策のため、約60人の教師を3つのグループに分け、出勤と在宅勤務を繰り返す勤務体制をとっています。

 新型コロナウイルスの影響で、休校となって2か月あまり。授業の遅れをどう解消するのか、先生たちもそれぞれが試行錯誤しています。

物理の先生:
「こんにちは。今日からやる単振り子の単振動というのを…」

 物理の先生が喋りかけるのは1台のデジタルカメラ。誰もいない実験室でカメラに向かって授業をして、その動画をWEBで配信しています。

物理の先生:
「どうやったら授業みたいに盛り上がるというか、リアクションが見れないのでちょっとよく分からないんですけど、自分なりに工夫して、毎回の動画を変えるようにしています」

 県内有数の進学校でもある向陽高校。大きな心配事の一つが、大学進学を控えた3年生への影響です。

進路指導の先生:
「どんどん予定が変わってますので。当初予定していた説明会も延期になって、28日もダメになったんで、またこれで変更しないといかんかな」

 予定していた進路相談の説明会の期日も決まらないままです。自宅で受験勉強に取り組む3年生からは、連日、不安の声が上がっているといいます。

進路指導の先生:
「日常が急に遮断されたというところで、生徒の受験の問題集の添削をメールでやってるんですけど、その中で聞いてみても『何をやっていいか分からない』『手のつけようがない』ということを言ってくる生徒もいます」

 4月に教師になったばかりの加藤大樹さんは、授業が一回もできていない状況。まだ授業の経験もない新人教師ですが、3年生のためにできることはないかと、動き出しました。

加藤先生:
「今は…九州大学の問題をやっています。地方からやっていって、いずれは東大でもやろうかなって(笑)」

 解いていたのは大学入試の問題。生徒に勉強の質問をされた時、どんなことにも答えられるように。加藤先生なりの準備ですが、生徒にとって何がベストなのか、これだという解決策はまだ見つかっていません。

加藤先生:
「教える側に立つので、責任感を持ってやらないといけないですし、ちゃんと今のうちに準備して、良い授業ができるように頑張っていきたいと思います」

鈴木校長:
「6月からやるにしても、いきなり(通常通り)はできないんで、準備運動が必要だと思うんですよ。1つの授業は65分間かかってやってるんですけど、きっと生徒たちも倒れちゃうんじゃないかな。先生たちも2カ月授業やってませんから、きっと先生たちもかなりくたびれるんじゃないかなと思うんですよ。

もし学校が再開してもクラスを半分にすることも必要ですし、おそらく中には、まだコロナがあるので学校に来れませんという生徒も何人かいるんじゃないかなと思うんですよ。そういった生徒のフォローもしていかなきゃいけないと思いますね」

 生徒たちのためにできることは…先生たちも、悩み、もがいています。

(東海テレビ)

都立日比谷高校のHP

都立日比谷高校HP

森本は多くの高校のHPを見ましたが、この高校のHPが最も良い出来だと思います。

情報力が多く、更新頻度も高くて、情報の分類も適切です。

良い情報処理の見本のようなHPだと思います。

デザイン性で勝負するHPがあっても良いわけですが、このような情報処理の上手さで見せるHPもあり得ます。

COVID-19への対応については、公的な情報に基づいて、進行中のことがらも含めて、予定の変更や情報公開を積極的にしているのが素敵です。学校外の人間にここまでの情報をオープンにできるというのは、校内で情報の公開に自信があるからでしょう。個人情報をみだりに公開してはいけないのは当然ですが、学校は公的期間である以上、情報を公開する社会的な務めがあるのも事実です。都立日比谷高校はそうした公的責任を果たしていると言えそうです。

他の都立高校のHPや私立高校のHPも見学してみましょう。情報公開の仕方やHPで通知する情報の種類・量には学校の特徴が表れているように思います。

「学ぶことをとめないこと」

中原淳・立教大教授「9月入学より『子どもの学びをとめない』ことに集中を」

多くの学校で休校期間が2カ月に及ぼうとしている。緊急事態宣言の解除の先延ばしで、休校は一体いつまで続くのか。先が見通せないなか、「9月入学」を求める声が現役高校生らから噴き出し、その是非をめぐり賛否両論が白熱している。自身のブログで「この緊急事態下において、義務教育から大学教育まですべてを2020年9月入学にするというアイデアには、反対を表明します」と述べた立教大学の中原淳教授に、その理由と、今は何に注力すべきかを聞いた。

管理教育とオンライン

讃井康智さんは「ライフイズテック」取締役で、東京大学教育学部在籍中に森本と面識があります。その方のご意見を紹介しましょう。

制度としての学校で重要なのは成績評価です。管理は学校の制度上の仕事ではありません。

子供たちの潜在的可能性のようなものを開花させるような教育は学校に限らず重要だと思います。また、それと同様の理由で、社会には特に経済的に恵まれない家庭の子女に充分な学習機会を提供する務めがあると思います。学校は社会でそういう役割を担っています。